財資〔2025〕101号解析 その二-非貨幣財産による出資に関する問題

 

 

《通知》印刷・発行の背景

《中華人民共和国会社法》と《中華人民共和国外商投資法》の相次ぐ改正と施行に伴い、中国の企業統治と外商投資管理制度は大きな変革を迎えています。これら2つの法律は、ビジネス環境の最適化、市場主体行為の規範化、投資家権益保護の強化などの面で新たな要求を提示するとともに、企業の財務処理実務にも深い影響を与えています。
上記2つの法律の公布後に生じた財務処理に関する問題に対して、財政部及び関連部門は2025年6月9日に《会社法、外商投資法施行後の財務処理問題に関する通知》(財資〔2025〕101号)を公布しました。同通知の第2条では、非貨幣財産による出資に関する問題について、更に明確化されました。

1.非貨幣出資の範囲と条件

《会社法》第48条及び財資〔2025〕101号文第2条の規定に基づき、株主が出資に使用できる非貨幣財産には、以下の内容が含まれます。
(1)現物(設備、棚卸資産など)
(2)知的財産権(特許権、商標権、著作権など)
(3)土地使用権
(4)株式、債権など

《会社法》第48条の規定により、非貨幣出資の重要な条件は、貨幣で評価することができ、且つ法に基づき譲渡可能なものでなければなりません。

2.強制評価の要求及び内部意思決定手続き

財資〔2025〕101号文第2条の規定により、企業が株主から非貨幣財産による出資を受ける場合、《財政部工商総局による非貨幣財産出資の評価管理強化に関する若干の問題についての通知》(財企〔2009〕46号)の関連規定に基づき、資産評価を実施するとともに、設立、増資、合併、分立等の事項に関する規定に従い、内部意思決定手続きを履行しなければなりません。

財企〔2009〕46号文第2条の規定により、非貨幣財産による出資を行う場合、法律に基づいて設立された資産評価機関に委託して資産評価を行わなければなりません。

法規の解釈:非貨幣財産による出資の評価額算定は、内部意思決定手続きにおいて極めて重要です。資産評価が行われない場合、出資額と公正価値が一致せず、内部意思決定の策定に影響を及ぼす可能性があります。資産の実際の公正価値が出資額を下回る場合、出資不足の状態を招き、会社、他の株主及び債権者の利益を損なうことになります。
そのため、今回の通知では改めて、非貨幣財産による出資には資産評価を実施すべきことを明記しており、2023年12月改訂版の《会社法》において新たに追加された株式、債権の出資も対象に含まれることを明確にしています。同時に、手続きの法令順守についても強調しており、非貨幣財産による出資は、その具体的な用途(設立、増資、合併、分立など)に応じて、《会社法》《定款》及び会社の内部制度規定に定められた意思決定手続きに従わなければなりません。例えば、出資契約、株主決議及び定款には、資産評価結果を含む非貨幣財産による出資の詳細情報を記載しなければなりません。

3.「権益実現」の審査義務の明確化

財資〔2025〕101号文第2条の規定により、株主が拠出する非貨幣資産について、企業は当該資産の特性を考慮し、資産の権益実現に影響を及ぼし得るあらゆる要因を十分に検討しなければならず、必要に応じて法律意見書を取得します。

当該規定は、企業に対して非貨幣財産の権益実現リスクに注視することを要求したものです。具体的な例として:

  • 知的財産権に権利侵害リスクが存在しているか?
  • 土地使用権に抵当権や制限条項が付随しているか
  • 株式/債権は執行可能を有しているか?

実務上の提案:高価値資産については、法律意見書を取得し、権利関係を明確化することが推奨されます。併せて、出資契約において瑕疵担保責任を定めておくことも有効です。

4.出資不足に伴うリスク

(1)株主間の相互監督責任

《会社法》第50条に基づき、有限責任公司の設立時において、株主が定款の規定に従って出資を実質的に履行せず、または非貨幣財産による出資の実際価額が払込登録出資額を著しく下回った場合、設立時の他の株主は当該株主と連帯して、出資不足の範囲において責任を負います

(2)株主の虚偽出資に対する罰則規定

《会社法》第252条に基づき、会社の設立発起人または株主が虚偽の出資を行い、出資としての貨幣または非貨幣財産を交付せず、または期限までに交付しなかった場合、会社登記機関の是正命令により、5万元以上20万元以下の罰金が科せられる可能性があります。
経緯が重大である場合、虚偽出資額または未出資額の5%以上15%以下の罰金が科せられます。直接責任を負う管理職とその他の直接責任者に対して、1万元以上10万元以下の罰金が科せられます。

(3)評価会社の連帯責任

《会社法》第257条に基づき、資産評価、検資または検証機関が不実の評価結果、検資または検証を提供したことにより会社の債権者に損害を与えた場合、当該機関は自らに過失がないことを証明できない限り、不実の評価または証明に係る金額の範囲内で賠償責任を負います。

5.まとめ

財資〔2025〕101号文第2条は、主に《会社法》第48条を基礎とし、非貨幣財産による出資行為を更に規範化したものです。

  • 非貨幣財産による出資には、資産評価を実施し、資産の公正価値を確定することで、出資不足リスクを回避すべきことを強調しています。
  • 会社は資産の権益実現に影響を及ぼし得るあらゆる要因を十分に検討しなければならず、必要に応じて法律意見書を取得することで、法的瑕疵による資産権益の実現不能リスクを回避することを強調しています。
  • 手続きの法令順守を強調し、非貨幣財産による出資については、設立、増資、合併、分立等の事項に関する規定に基づき、内部意思決定手続きを履行し、意思決定の有効性と合法性を確保しなければなりません。

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